クロスオーバー! フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第6話
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フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第6話

第6話です。『フレッシュプリキュア!』第13話の、少し後くらいの時間軸になります。


******


高層ビルの屋上、向かい合う二つの影を満月が照らし出す。
一方はキュアグレイブ。
そしてもう一方は、牛ほどの大きさもある巨大な狼の姿をしたキイマジンである。

『グルルルルルル』

金色の牙をむき、低く唸り声を上げるキイマジン。
黒い体に紅く光る両目がグレイブを睨みつける。

「ハァァァッ!」

怯まず、拳を振りかぶって突進するグレイブ。

『グオオオオ――――――ンッ!!』

キイマジンの咆哮に大気が歪む。

「う!」

思わず耳を押さえ、立ち止まるグレイブ。

『グオゥ!』

すかさず飛びかかり、グレイブの左腕に咬みつくキイマジン。

「あうっ!」

鋭い牙が装衣の上から皮膚に食い込む。

「こ……のっ!!」

キイマジンの眉間に右の拳を叩き込むグレイブ。

『グォ!』

短い叫び声を上げて飛び退き、向かいのビルの屋上へ逃走するキイマジン。

「ちょ、ちょっと待……あ痛っ」

左腕を押さえ、闇に消えていくキイマジンを涙目で見送るグレイブ。

「やられた……!」



フレッシュプリキュア! クロス†オーバー
第6話『祈里とメイ アニマルキイマジンを追え!』



「メイ、左手は大丈夫ですか?」
「あ……うん。それより、まんまと逃げられちゃったね」

メイの部屋、取り逃がしたキイマジンの対策を練る二人。

「イニシャルF……フェンリルは、動物としか結合できません。しかし反応が特殊で、非常に感知しにくいのです」
「今までの方法じゃ、見つけられないってことか」

口元に手を当てて考え込むメイ。

「動物……動物ねぇ……」

その表情がぱっと明るくなる。

「そうだ! 動物といえば、山吹さん!」
「え?」
「明日は休みだし、動物病院に行ってみるかな」
「……?」

不安げなキサナに、ちっちっと指を振ってみせるメイ。

「実は、手がかりはもう掴んであるんだ」


***


「おはようございます」
「……メイさん?」

翌朝、山吹動物病院を訪ねたメイ。
祈里の部屋で事情を説明する。

「キイマジンの額に星型の模様があったの。山吹さん、そういう動物を見たことない?」
「星型の模様……もしかしたら」

一枚の写真を差し出す祈里。

「ロンちゃんっていうんだけど……この子が退院する時に撮った写真なの」

微笑む祈里の隣に、ブラウンの毛並みのシェパード犬が写っている。
その額には、星のように見える模様が。

「これ、この模様! 間違いないよ!」
「それじゃ、ロンちゃんがキイマジンに!?」
「山吹さん、この子の飼い主の人と連絡とれないかな?」
「うん……ちょっと待って」

リンクルンを取り出す祈里。

「もしもし……はい。あの、ロンちゃんのことで……」

送話口に手を当て、メイを振り返る祈里。

「昨日から、おうちに戻ってないみたい……」
「やっぱりか。……山吹さん、ロンがいつも散歩している道を訊いてもらえるかな?」
「……え?」
「キイマジンは、昼間は宿主の姿に戻るの。……ロンがよく行く場所を探せば、見つかる可能性が高いよ」
「わかったわ!」

電話を終え、メイにメモを渡す祈里。

「ありがとう! ……それじゃあ、私はこれで」
「あ、待って」
「え?」
「わたしも……一緒に行っていいかな?」

リンクルンが輝き、姿を現すキルン。

『キィ!』
「これって、ピックルン……?」
「わたし、キルンの力を使うと動物の言葉がわかるようになるの。……動物を探すなら、動物に尋ねるのが一番じゃないかしら」
「おぉ! 山吹さん、それは百人力だよ。……この後、空いてる?」
「この後……あっ」
「忙しい?」
「……今日はお母さんが出かけるから、午後までわたしがお父さんの手伝いをしなくちゃならないの……」
「う~ん……そうかぁ……う~ん」

腕を組み、唸るメイ。

「ごめんなさい、メイさん……」
「いや、謝ることじゃ」
「……わたし、お母さんとお父さんに頼んでみる!」

部屋を出て行こうとする祈里をあわてて引き止めるメイ。

「待って、山吹さん。キイマジンが動き出すのは夜から。お手伝いが終わってからでも、十分間に合うよ」
「で、でも……」
「山吹さんの力を借りれば、すぐに見つかるって。……だから、心配しないで午前中は病院のお仕事に集中してよ」
「うん……」
「終わったら、連絡してくれればいいから。ね!」
「わかったわ。ありがとう、メイさん」

動物病院を後にするメイ。
リングルンが輝き、キサナの声が届く。

『メイ』
「キサナ、宿主が見つかったよ。あとは……」
『一度、家まで帰ってください』
「え?」
『……良くない知らせがあります』


***


「ロンを……助けられない!?」
「はい……その可能性が高いのです」

メイの部屋。
ベッドに腰を下ろしたメイと、向かい合うように椅子に座っているキサナ。

「位置の特定には至らないほど、微弱ですが……先ほどからずっと、キイマジンの反応を感知しています」
「……どういうこと?」
「融合係数が上がり、ダークルンが宿主の体を侵食していると思われます」
「じゃあ、つまり……」
「ロックブレイクしても、宿主の体を傷つけずにダークルンを切り離せる可能性は限りなく低いということです……残念ながら」
「そんな……」

時刻は既に午後二時に迫っていた。

「キュアパインからの連絡、来ませんね」
「……よし」

ベッドから立ち上がるメイ。

「私一人で行くよ」
「しかし……」
「キサナはナビに集中して。大まかな方角くらいはわかるでしょ? あとは足で何とかする。これ、捜査の基本ね」
「メイ、それでは間に合うかどうか……」
「ロンが行きそうな場所は、もう調べてあるから。……それに……」

携帯を握り締めるメイ。

「もしもの時……山吹さんには、そんな結末を見せたくない」

メイの気持ちを知り、うなずくキサナ。

「……わかりました。私も、最善を尽くします」


***


山吹家、祈里の部屋。

「遅くなっちゃった……! メイさんに連絡しなきゃ」

机の上のリンクルンを取る祈里。
メールが届いている。

「メイさんから……」

<ごめん、私一人で大丈夫そう 心配しないで>

「……やっぱり、メイさんには必要なかったかな。わたしの助けなんて」

寂しそうにリンクルンを見つめる祈里。


***


一方、メイはひとり地道にロンの散歩コースを巡っていた。

「ふぅ、ふぅ……ちょっと、休憩」

バス停横のベンチに座るメイ。
と、メイの携帯に着信。

「あ……」

祈里からの電話。

(ダメだ……今出たら、きっと山吹さんの言葉に甘えちゃう)

携帯をしまい、再び歩き始めるメイ。


***


つながらない電話。

「メイさん……怒ってるよね」

リンクルンを机の上に置こうとして、思い留まる祈里。

「……行こう。メイさんに、きちんと謝らなくちゃ」

リンクルンを握り締め、部屋を出る。

(そして、ロンちゃんを助けるために……少しでも、力になりたい!)


***


「次はこの上か……」

高台の公園を目指して急な階段を登るメイ。

「ふぅ、はぁ……きついな~~」

左腕を伸ばして手すりを掴んだ時、フェンリルに咬まれた傷に激痛が走る。

「痛っ!?」

バランスを崩し、後方へ傾くメイの体。

(やば……)

ゆっくりと縦にスクロールする視界。

(落ち……る!)

だが次の瞬間、柔らかい感触とともに景色の回転が止まった。

「よっ……!」

耳元で聞き覚えのある声。

「山吹さん!?」

横を向くと、目の前に祈里の顔。
間一髪。祈里に抱きとめられ、メイは落下を免れていた。

「間に合って、よかった……」


***


祈里の部屋。
椅子に座ったメイの腕に包帯を巻いている祈里。

「……そうだったの。メイさんはわたしのためを思ってくれたのね」
「結局、こうなっちゃったけどさ……」
「いいの。わたしはメイさんの気持ちだけでうれしい。……けど」

祈里の手が止まる。

「たとえ救えない命でも、獣医は最後まで全力を尽くさなくちゃならないの」
「山吹さん……」
「プリキュアも同じだと思う。だからメイさん、わたしにも手伝わせて。辛い結果が待っていたとしても、最後まで全力を尽くしたいの」

しっかりと結ばれる包帯。

「私、もっと信じるべきだったね。山吹さんのことを」
「……ううん」

首を横に振り、包帯の上からメイの腕にそっと両手を添える祈里。

「二人で信じましょう? 絶対にロンちゃんは助かるって」
「あ……そ、そう……だね!」

間近で見るブッキースマイルに、思わず赤面するメイ。

『では、捜査再開ですね』
「うぉ!?」

メイの頭にキサナの声が響く。

「わ、わかってるよ! 急がないと……」
『……今、私の存在忘れてましたね?』
「あはは……」


***


キルンの力を借りつつ、ロンの行方を追う祈里とメイ。

「たった今、この先の公園で見たって!」

野良猫の証言を頼りに、徐々に傾く日差しの中を走る。

『そろそろ、キイマジンの活動帯に入ります』
「間に合え……!」

薄暗くなり始めた公園にたどり着き、周囲を見回す二人。
視界に動くものは無い。

「ロンちゃん……」

(遅かった……? いや……これは……)

『キイマジン反応! 後ろです!』

茂みを割って飛び出す黒い影。
間一髪でかわし、抱き合って地面を転がる二人。

『グルルルルルル』

唸りを上げる黒いキイマジン。
その額に白く浮かぶ、星のような模様。

「間違いないわ! あの子はロンちゃん!」
「ねえ、ちょっと……ゆうべより大きくなってない、こいつ!?」
『まずいですね。融合係数が予想以上に高まっています』
「無事に切り離すのは、難しい……か」
『それだけではありません。融合係数に比例して、戦闘能力も上昇していると思われます』
「メイさん、ロンちゃんは……」

つないだメイの手を握り締める祈里。

「私たちは、全力を尽くすだけだよ」
「……うん!」

リンクルンを、リングルンを構える二人。

「「チェインジプリキュア!」」
「ビートアーップ!」
「クロスオーバー!」

異なる位相の特殊空間が同時に展開され、融合する。
次元の地平を華麗に舞う、二人のプリキュア。

「イエローハートは祈りのしるし! とれたてフレッシュ、キュアパイン!!」
「冥府を望む玉座。キュアグレイブ!!」

猛然と飛びかかるフェンリルを協力して受け止め、跳ね除ける。

「やめて、ロンちゃん!」
『グオオオオオオゥ!!』

牙を剥いてパインに迫るフェンリル。

「パイン! こっちへ!」
「えっ?」

パインの肩を掴み、抱き寄せるグレイブ。

「大気反転!」

リングルンが輝き、二人を中心に展開される戦闘用隔離空間。

『オオオオオオッ!?』

大気の裂け目がフェンリルを飲み込み、虚空に浮かぶ決闘場へと誘う。

「ここは……?」
「グレイブフィールド。キイマジンの邪悪な力を吸収する空間さ」
『ウウウウウ……』

周囲を警戒するフェンリル。

「今こそ、ロンを救う時だよ」
「でも、どうやって……?」
『あなたの力で、です』
「キサナちゃん!?」

グレイブの体を通し、パインの頭にもキサナの声が響く。

『死と破壊をつかさどるグレイブの力だけでは、宿主を救うことはできません。しかし、あなたが持つ癒しと祈りの力ならば……あるいは』
「本当に……?」
『保証は、できませんが』
「…………」

パインの両肩を掴み、正面から向き合うグレイブ。

「信じて。……あなたの祈りは、必ず届く」

うなずき、リンクルンを取り出すパイン。

「キルン、力を貸して!」
『キィ!』

キルンを鍵穴に挿してリンクルンを展開、次元球を作動させる。

「えいっ!」

次元球の回転と連動してプリキュアのエネルギーが放出され、瞬時に結晶化する。

「癒せ、祈りのハーモニー! キュアスティック・パインフルート!」

パインが奏でる癒しの旋律が、フェンリルの動きを鎮めた。

「悪いの悪いの飛んでいけ! プリキュア・ヒーリングプレアー・フレ――ッシュ!!」

目映い閃光とともに炸裂する、究極の癒し。
邪悪なエネルギーを浄化され、みるみる小さくなっていくフェンリル。

『ウ……ウゥ』

完全に戦意を失い座り込んだフェンリルに、ゆっくりと歩み寄るグレイブ。

「よし、よし」

グレイブの左手がフェンリルの額に触れ、ロックブレイクが行われる。
キイマジンの姿が砕けるのと同時に収束し、消滅するグレイブフィールド。
……外灯が照らす夜の公園に立つ祈里、メイ、ロン。

「ロンちゃん!」

ロンを抱きしめる祈里。
腕の中で尾を振り、嬉しそうに吠えるロン。

『奇跡、ですね』
「……いや、違うな」
『え?』

誰もいない空間に向けて、ちっちっと指を振ってみせるメイ。

「信じる心を力に変えられるのが、プリキュアなんだよ」


***


数日後、いつもの公園で戯れる祈里とロン。
ドーナツカフェからそれを見ているラブ、美希、メイ。

「へぇ。そんなことがあったのね」
「さすがブッキーとメイさんだね!」
「そ、それほどでも……」

頬を染めて口ごもり、ドーナツをくわえるメイ。

「待って、ロンちゃん!」

尾を振りながら、メイの方へ走ってくるロン。

「あ、こっちに来た! メイさんと遊びたいのかな?」
「行ってあげなさいよ」
「……しょうがないなぁ」

両手を広げ、ロンを迎えるメイ。

「おいで、ロン」
「メイさん、気をつけて!」
「……え?」

ロンの後方、両手を口に添えてメイに呼びかける祈里。

「その子、時々じゃれて噛みつくことがあるの」
「はぁ!?」

メイの脳裏に、嫌な記憶が蘇る。

「ちょっと……勘弁してよぉぉ!」

ロンに背を向け、あわてて逃げ出すメイ。
はしゃいで追いかけるロン。

「わぁ、来るなぁぁぁ!」

そんな光景を温かく見守るラブ、美希、祈里。
爽やかな風が木々を揺らし、穏やかな日差しが、辺りに降り注いでいた――。

「……って、早く助けんか――――いっ!!」





つづく




******


次回のフレッシュプリキュア! クロス†オーバーは、
第7話『イースの挑戦! ダークルンを手に入れろ!!』です。お楽しみに!




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テーマ : プリキュア
ジャンル : アニメ・コミック

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非公開コメント

No title

ようやく予想が当たった気がする!


いや、はい。パインフルートだけです…
やわらかい感触…?ブッキーの胸ですね。わかりmry
はい。相変わらずすばらしい作品だと思います。
次回 ついにイース様降臨!

No title

ブッキーほど柔らかそうなプリキュアは他にいません。
あらゆる意味で。


今後しばらく各キャラクターとグレイブとの交流回が続きます。
次回は、見た目からして似た者同士なイースとの初対決。
さて?

お初です

お初です、北海道の畑中と申します。プリキュアサーチ経由で来ました。

フレプリ本編も今週末でグランドフィナーレを迎える中、
こちらのクロスオーバー!はまだ序盤の真っ最中。
6話まで読ませて頂きましたが、グレイブとフレプリキャラとの交流を毎回
楽しみにしております。次回がイース様登場という事で、今後中盤辺り
でパッションとの交流もあるのかな?と期待していたりする・・・。

そして終盤でどんなラストが待ち受けているのか!?今からドキドキ
しながら展開を見守りたいと思います。今後も期待しております。

コメントありがとうございます

初めまして、七寝八寝(ななねやね)です。

仰るとおりクロスオーバーはまだまだ序盤。
中盤以降に向けて、助走の段階ですね。
パッションとグレイブの関係がどんなものになるのかも注目してください。

終盤も原作に負けない激動の展開を予定しています。
応援を糧に頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。
プロフィール

ヤネ

Author:ヤネ
フレクロF、今度はイニシャルWW編です。

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