クロスオーバー! フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第9話
FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第9話

今回は『フレッシュプリキュア!』第16話と、完全な同時進行になります。


******


メイの部屋。
冷却シートを額に貼り、ベッドに寝ているメイ。

「メイさん、具合は大丈夫?」
「う、うん……」
「メイさんが、早く元気になるように。じゃ~~ん! ラブ特製のおかゆだよ!」
「わぁ、ありがとう! ……あ、でも」
「どうしたの?」
「私、猫舌だから。すぐには食べられないな」
「なぁんだ、そんなこと? だったらあたしがフーフーしてあげる。……フー、フー」
「も、桃園さん……」
「はい、あ~~ん」
「あ~~~~ん!」
「……どう?」
「おいし~~~~い!」
「そうだ、メイさん。アツアツのおかゆ食べて、汗かいちゃって気持ち悪いよね?」
「うん……昨日はお風呂、入ってないし」
「じゃあ、あたしが体を拭いてあげるよ!」
「えぇ……でも、桃園さんにそんなことまで……」
「遠慮しなくていいから。ほら、脱いで」
「あっ……」



フレッシュプリキュア! クロス†オーバー
第9話『ラブ大ピンチ!? 夜の学校は危険がいっぱい!!』



「桃園さん、まだ心の準備が……」
「いつまで続けるんですか、それ」

ようやく入ったツッコミに一人芝居を中断し、独り布団の中でため息をつくメイ。

「……っていう展開を期待したのにさぁ」
「私では不満ですか」

おかゆの器を手に、ベッドの横で膨れっ面をしているキサナ。

「桃園さんがいいよぅ……」
「ピーチさんも忙しいんです。そういつもいつもメイにかまっていられませんよ」
「ハァ……どうして文化祭の実行委員なんかになっちゃったのさ。……おまけに、相方に名乗り出たのが」
「たしかメイのクラスメイトの、知念大輔さんでしたね」
「ほんのちょっと桃園さんと付き合いが長いからってぇ……慣れ慣れしいったら! 慣れ慣れしいったら!」

横になったまま、バタバタと暴れるメイ。

「ピーチさんに会いたかったら、さっさと風邪を治すことですね。……ほら、早く食べてくださいよ」
「トホホ……」


***


翌日の学校。
明日に迫った文化祭の準備にいそしむ生徒たち。
メイたちのクラスは、オバケ屋敷のセッテイングに追われている。

「このオバケ、メイさんに似てない?」
「……アハハ、似てる似てる。目つきとかそっくり」

テレビ局から借りてきた幽霊人形を指差して笑う女の子たち。

「メイさん、明日には元気になるといいけど」
「うん……」

ふと窓の外を見ると、どす黒い雲が空を覆っている。

「雨、降りそうだね……」
「明日の天気、大丈夫かなぁ?」
「……そう言うと思って、ほら!」

女の子の一人が黒い布の塊を取り出す。

「ゲ……なに、それ」
「死神のマントに使った布あるでしょ? あれの余りで作ってみたの」

不気味に揺れる黒いテルテル坊主。

「なんか……余計雨降りそうじゃない?」
「そうかなぁ?」

数時間後、四つ葉町を雷雨が襲った。


***


メイの家。
体温計を天に掲げ、ベッドの上にそびえ立つメイ。

「ふっかぁ~~~~つっ!」
「どれ。……たしかに、熱は下がりましたね」
「桃園さん、待っててよ!」

ため息をつきながら、時計をちらと見るキサナ。

「もう、とっくに学校終わってますけど?」

ちっちっと指を振り、携帯を手に取るメイ。

「実行委員だし、まだ残って仕事してるかもしれないじゃないか。……とりあえず、メールしてみよう」

ぽちぽちとメールを打ち、送信して数分。
ラブからの返信内容を見て、メイの体が硬直する。
隣から携帯の画面を覗き込むキサナ。

<いま、大輔と二人で残って仕事してる。 すぐ終わるから、大丈夫だよ>

「よかったですね。メイの思った通りじゃないですか」
「だ、だだだ……大輔と二人きり、だとオォォォォォ!??」
「仲良しですね」
「こうしちゃおれんッ!!」

猛スピードでセーラー服に着替え、家を飛び出すメイ。
傘を広げ、土砂降りの中を一直線に学校へ向かう。

「急がないと……。いくらヘタレの知念とはいえ、男子中学生の端くれ。このままでは、間違いが起こりかねない!!」

以下、再びメイの妄想。


***


薄暗い教室。
作業のさなか、偶然触れ合う手と手……。

『きゃっ……』

頬を赤らめ、手を引っ込めるラブ。

『ご……ごめん』

あわてて謝る大輔。

『べ、別にいいよ……』

高まる鼓動。

(どうしたの、あたし……? すごく、ドキドキしてる……)

『ラブ……俺……』
『え……?』
『俺、お前のことが……』
『だ、大輔……』

交わる視線。
再び重なり合う手と手、そして――。

「うわぁぁぁぁぁぁ! 桃園さん、私がいま行くからっ! だから……だから、そいつの言葉に耳を貸しちゃダメだぁぁぁぁぁぁ!!」

叫びつつ、さらにスピードを上げるメイ。
傘を投げ捨て、全力疾走する。


***


数分後、ずぶ濡れで学校へ到着したメイ。
水を滴らせながら、教室へ向かう。

「はぁ~~……はぁ~~……」

前髪の合間から覗く右目が鈍く光る。
薄暗い廊下で今のメイと出くわしたら、十人中十人が幽霊と勘違いするであろう。

「なんだぁ……うちのクラス、廊下までオバケ屋敷にしてるのか?」

二階の廊下自体が、怪しい霧の立ち込める異世界に変わっていた。
闇の向こうから、ガイコツのオバケが歩いてくる。

『コツ、コツ』
「よくできてるな……って、感心してる場合じゃない!」
『ボーン!』
「どけやぁ!!」

しつこくまとわりついてくるガイコツを蹴散らし、先へ先へと進むメイ。

「邪魔だぁ! ……桃園さ――ん! 桃園さ――ん!」

リングルンが輝き、キサナの声が響く。

『メイ、キイマジン反応です!』
「今それどころじゃ……って、本当!?」

鬼火ただよう夜の墓場と化した廊下を、滑るように迫ってくる影法師。

「黒い……テルテル坊主!?」
『キヒャヒャヒャヒャ』

耳まで裂けた紅い口を歪ませ、不気味な笑い声を放つ人間大のテルテル坊主。
鎌を振り上げ、メイに襲いかかる。

『種別、イニシャルJ!』
「ジョーカーか……!」

リングルンを構えるメイ。

「チェインジ・プリキュア!」

鍵を挿し入れて中心部を展開し、次元球を起動する。

「クロス・オーバー!」

交差した腕を水平に開くと、全身に装衣が装着されていく。
黒髪が銀に染まり、背には真紅のマフラーが燃え上がる。
白金色の瞳が、進むべき道を真っ直ぐに見つめて――。

「冥府を望む玉座! キュアグレイブ!!」

襲い来る鎌をかわし、裏拳の一撃でジョーカーを吹き飛ばすグレイブ。

「こいつ、意外と弱い?」
『油断は禁物です。ジョーカーの能力は……』
『キヒヒヒヒ』

黒いマントの裾が捲れ上がり、地面に向かって伸びた紅い頭部が現れる。
黒い口を開いて笑う逆さまの顔。

「なっ……!?」


そのまま縦に一回転するとマントが完全に裏返り、真っ赤に変化した巨大テルテル坊主がそこにいた。

『ジョーカーには、ダークルンに施されたリミッターを一時的に解除する能力があります』
「時間制限つきの、切り札ってことか……!」

マントを翻し、目にも止まらぬスピードでグレイブに迫るジョーカー。

「……速い!」

トンファーを振り回し、辛うじて鎌を受け流すグレイブ。
矢継ぎ早に繰り出される攻撃に、少しずつ追い込まれていく。

(一撃一撃が、重い……。このままじゃ、こっちが先に力尽きる)

正面から攻撃を受け止め、地面を転がるグレイブ。

『メイ!』
「……負けるわけにはいかないんだ。私の助けを待っている、大切な人のために!!」

右手を天にかざすグレイブ。
リングルンから放たれた緑色の光が、その手の中で結晶化する。

「ミドルン、力を貸して!」
『キュイ!』

鍵に変形したミドルンをリングルンに装填し、次元球を起動するグレイブ。

「ビート・ア――――ップ!!」

緑の閃光を纏って駆け抜ける、キュアグレイブ・マスカー。
一瞬のうちにジョーカーの背後に回り込む。

『キヒィ!?』
「キュアスティック・マスクドトンファー!」

左手に生成されたトンファーが、ジョーカーの胴を捉える。

『ギヒャア!』
「……ハアアアッ!」

振り向いたジョーカーの脳天に、右手のグレイブトンファーが振り下ろされる。

「ハッ! エイッ! ヤアアアッ!!」

上下左右から、両手のトンファーが次々とジョーカーに炸裂する。

『ギ……ヒ……ヒィッ!』

トドメとばかりに、逆手に持った二本を同時に突き入れるグレイブ。
ジョーカーの胴体から、光のリングが全身に広がる。

「ロックブレイク!」
『ギャヒャアアアアアア!!』

悲鳴を上げて砕け散り、手のひら大のテルテル坊主に戻るジョーカー。

「桃園さんっ!」

変身を解いて走り出すメイの周囲が、元の廊下に戻る。
差し込む日の光……雨は上がったようだ。

「……ん?」

窓の外、校庭にラブの姿を発見するメイ。
急いで廊下を引き返し、表へ出る。

「桃園さ――――ん!」
「メイさん! もう具合はいいの?」
「うん……というか、どうしてみんながここに?」

ラブの隣に立つ美希と祈里、シフォンをおぶったタルト。

「また、ラビリンスが襲ってきたんや」
「もうやっつけたけどね」
「そうだったんだ。……そこで寝てる知念は、大丈夫なの?」

腰を下ろしたラブの傍ら、泥だらけの地面の上で仰向けになっている大輔。

「うん。気絶してるだけだよ」
「そっか……よかった」
「ラブちゃんを守って、ナケワメーケに立ち向かったのよね」
「うん! さっきの大輔は、すごくかっこよかったよ」
「……えっ」

メイの顔から一気に血の気が引く。

「い……今、なんて」
「ん? 大輔、かっこよかったな~~って」
「…………」

頭を両手で押さえ、うずくまるメイ。

「……頭痛くなってきた」
「メイさん大丈夫? やっぱり、まだ休んでたほうがいいよ」
「うん。帰る」
「送っていくよ!」
「いや。いい……」

首を横に振り、ラブたちを残してふらふらと去っていくメイ。


***


そして文化祭当日。

「あ、またサボろうとしてる!」
「う、うるせーな……ちょっとくらいサボってもいいだろ!?」
「うるさいとは何よ!」

いつものようにケンカするラブと大輔を見て、苦笑するクラスメイトたち。

「……またやってるよ、あの二人」
「ほんと、飽きないよねぇ」

窓の外には、雲一つ無い青空が広がっている。

「今日は晴れてよかったよね」
「うん。……メイさんは、残念だったけどね」


***


「ぶぇ――――くしっ!!」

布団の中でぶるぶると震えるメイ。

「病み上がりに無茶苦茶するからですよ。なんでちゃんと傘を差さなかったんですか」

おかゆを手に、ため息をつくキサナ。

「ふええええ……」

抱き締めた枕を、涙で濡らすメイ。

「桃園さん……さびしいよう、さびしいよう……うえっうえっ」
「……この人は……」





つづく



******


次回のフレッシュプリキュア! クロス†オーバーは、
第10話『眠れるメイと夢の国の美希!』をお送りします。お楽しみに!





スポンサーサイト

テーマ : プリキュア
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

No title

キュアメロンを知ってると聞いて、なんだか驚いた柳星張ですよ。
メイさん…恋の病ってやつですか!まぁラブさんにはどんな女の子でもイチコロですよねぇ…漢前でカッコイイですからねぇ
ってラブが危ないって大輔的な意味だったのか!?うわーっ
次回→美希たん王子の予感!?
手短ですが、ノシ

No title

八寝は実は、某動画サイトにフレプリMADを投稿したりもする暇人。

危険って大輔かよ!という、ぶっちゃけギャグ回のつもりだったんですが……
この話を組んだ時点では、アニメであんなに大輔をプッシュするとは思っておらず。
結果として、けっこう重要な回になってしまったかも。

今回は病のせいで熱に浮かされたテンションのメイでしたが、次回からは元に戻ります。
たぶん。
プロフィール

ヤネ

Author:ヤネ
フレクロF、今度はイニシャルWW編です。

Twitter
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
プリキュアサーチプリキュア検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。