クロスオーバー! フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第4話

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フレッシュプリキュア! クロス†オーバー 第4話

第4話です。『クロスオーバー』第1話直後の時間軸で、早くも『フレッシュプリキュア!』本編と合流していきます。


******


「四人目のプリキュア?」

桃園家に集まった三人のプリキュア。
ラブ、美希、祈里。

「そう。パッと光って消えちゃったけど、あれは確かにプリキュアだったよ」
「タルト、どう思う?」
「微妙やな……」

ベッドの上で眠るシフォンを振り返るタルト。

「今まであんさんたち三人がプリキュアに目覚めたときは、必ずシフォンにも何らかの反応があったんや。せやけど、今回は何の反応もあらへん」
「プリキュアって決めつけるのは早いわね」
「でも、ラブちゃんを助けてくれたのよね? だったらきっといい人だって、わたし信じてる」

ふと腕時計を見る美希。

「いけない、もうこんな時間よ!」
「ダンスレッスンに遅れちゃう!」
「本当だぁ! じゃあタルト、行ってくるね!」
「三人とも、気ぃつけてや~!」

家を飛び出す三人。
公園へ向かいながら、黄昏の中で見たグレイブの姿を思い起こすラブ。

(あの人……たしか、キュアグレイブって言ったよね。また、会えるかなぁ)



フレッシュプリキュア! クロス†オーバー
第4話『ラビリンス襲来! 大好きなものを守れ!!』



メイの家。
居間でテレビを観ているキサナ。
その後ろ、台所ではメイが夕食を作っている。

「今日のディナーは……」

できたての料理がテーブルに載せられる。

「ジャーン!! メイ特製・アメイジングチャーハンです!」

皿に盛られた黄金色のご飯の合間から、ウインナーやらスイートコーンやらがにょきにょきと突き出している。

「……これ、昨晩と同じメニューですよね」
「チャーハンは美味しいからね!」
「メイのレパートリーの問題では?」

と、キサナが観ていたテレビから、プリキュア関連のニュースが流れ始める。
商店街に現れたナケワメーケと戦う三人のプリキュア。

「あのプリキュアたちも、やっぱりこの町の誰かが変身してるのかな?」
「その可能性は高いでしょう。……しかしそれより問題なのは、管理国家ラビリンスがこの世界に侵攻を開始したことです」
「ラビリンス……。今度出てきたら、私が相手してあげるよ」

エプロン姿のまま、やる気満々といった様子で腕まくりするメイ。

「何度も言いますが、それはダメです。あくまでダークルンの回収こそが、グレイブの役目ですから」
「ダークルン……ってたしか、コレのことだよね」

リングルンが輝き、数体の黒い妖精が姿を現す。

『キィ~♪』
「この子たちが、キイマジンの本体なんでしょ?」

メイの周りを無邪気に飛び回る姿からは、魔人の凶暴さは微塵も感じられない。

「そう。かつてプリキュアが魔人の持つ“力”のみを分離し、妖精の姿に閉じ込めたのがこのダークルンです。リングルンに回収された今は、無害な存在ですが」
「今までに私が回収したのが、B、D、K、M、O、R、Zの7体」
「封印から解き放たれたダークルンは全部で22体ですから、回収しなくてはならないのはあと15体ですね」
「もう三分の一でしょ? 意外と早く集まりそうだし、余力でラビリンスの相手をしてもいいんじゃない?」
「……ダメです!」

ソファから立ち上がり、メイに歩み寄るキサナ。
左手のリングルンに手を添える。

「以前にも言いましたが、リングルンは未完成なのです。トワイライトに現存する設計図に、欠けた部分があったせいで」
「……わかってる。グレイブの変身は、回数制限つきってことだったよね」

リングルンの中心部を囲む円形のメーター。
この光が残る使用回数を示している。

「ダークルンの回収が可能なプリキュアは、グレイブしかいません。ラビリンスの相手は他のプリキュアたちに任せてください。……お願いします」

ため息とともに肩をすくめるメイ。

「うん、わかったよ」

キサナの顔に笑みが広がる。

「約束ですよ!」
「……じゃ、冷めないうちにチャーハン食べよっか」

文句を言いながらも、メイが作った料理を美味しそうに食べるキサナ。
そんな姿を暖かい眼差しで見つめるメイ。
……だが、その頃。
ここ四つ葉町で、ラビリンスの新たな作戦が静かに動き出していた……。


***


翌日の公園。
ダンスレッスンを終えた三人に、声をかけるメイ。

「おつかれさま」

メイから缶ジュースを受け取る美希と祈里。

「ありがと!」
「ありがとう、メイさん。……今日はお散歩?」
「いや、ドーナツ買いに来たらみんながレッスンしてるのが見えてね。……桃園さん、どうかしたの?」

腰掛けたまま、メイが来たことにも気付かない様子でうなだれているラブ。

「それがね……」

二人から事情を聞くメイ。

「話をまとめると、ハンバーグが消えたせいで、お母さんとケンカした……ってこと?」
「そういうことになるわね」
「桃園さんの家ってさ、最近フェレットを飼い始めたんだよね? ……ハンバーグの件って、そこにいるヤツのしわざなんじゃないの? ねぇ?」

タルトを指差すメイ。
メイの視線が逸れた瞬間、必死に首を振って否定するタルト。

「え~っと、それは……違うみたいよ?」
「でも、他に原因は考えられないし」
「いや、その、ほら……」
「……あぁ、そっか。フェレットはハンバーグなんか食べないもんね」
「そ、そうなの! だから、タルトさんのせいじゃないのよ」
「……山吹さん、フェレットにもちゃんと“さん”付けするんだ……。さすが、獣医さんだなぁ」
「わわっ! これは、その……」

笑ってごまかす美希と祈里。素直に感心するメイ。

「消えたハンバーグ、か……」

左腕のリングルンを見つめるメイ。

(何かの勘違いだと思うけど……一応、キサナにも相談してみるか)


***


その日の夕方。

「もぐもぐ……キイマジンの反応はありませんよ」

メイの部屋、ドーナツを食べながらマンガを読んでいるキサナ。

「さすがに考え過ぎか……」
「確かに夜間に起きた事件ではありますが、キイマジンのしわざなら私に感知できないはずがありません」
「やっぱり、桃園さんの勘違いだったのかな。グレイブフィールドじゃあるまいし、そこらへんにあるものがパパッと消えちゃうなんて……」
「微弱でもキイマジンの反応があれば、すぐに知らせますよ」
「うん。お願い」
「……でも、珍しいですね。メイが他人の悩みを気にかけるなんて」
「それは、その……」

部屋のあちこちに貼ってある、母親が撮った写真を見つめるメイ。

「うちも母さんが帰ってくるたびに、いつもケンカみたいになっちゃうから」
「? どうしてですか?」
「うち、ずっと離れて暮らしてるでしょ? いざ会うと気持ちをうまく伝えられなくて。……私も母さんも、そういうの得意じゃないんだ」
「…………」
「お互い、本気じゃないのはわかってる。……でも、ケンカしたまま母さんと別れた後は、本当に寂しい……」

ベッドの上で膝を抱えるメイ。

「あんな寂しい思い、誰にもしてほしくないよ」
「……メイ……」

キサナがメイに言葉をかけようとした時。

「――消えました!!」
「え!?」

キサナが手にしていたマンガが、一瞬にして消えた。

「ウ、ウソでしょ……?」

驚愕する二人の眼前で、今度は食べかけのドーナツがかき消える。

「何が起こったの!?」
「わかりません。……でも、嫌な予感がします。町の様子を見に行きましょう!」

家を出てクローバータウンストリートへ向かうメイとキサナ。
店に並ぶもの、家にあるもの、ありとあらゆるものが次々と消え、そこら中で騒ぎが起こっている。

「大パニックじゃないか!」

道端で泣きじゃくる男の子を見つけ、駆け寄るメイ。

「どうしたの? 君の大事なものも消えちゃったの?」
「うっ……うっ……お母さんが、お母さんが!」
「……!!」

男の子の傍らには、母親のものと思われるバッグが落ちている。
周りをよく見ると、あちこちに泣きながら母親を捜す子供の姿がある。

「そんな……みんなの母親まで、消えちゃったってこと!?」
「町中が同じ事態に陥っているみたいですね。しかもこれだけのことが起きて、キイマジンの反応は無い。……と、すると」
「……ラビリンス……!」

拳を握り締めるメイ。


***


「……フフフ」

嘆き悲しみの渦が、四つ葉町を飲み込んで広がっていく。
夕陽に照らされた小学校の屋上。母親を消され泣き叫ぶ子供たちの声を聞きながら、ラビリンス幹部サウラーは満足そうに笑みを浮かべていた。

「聞こえるぞ、子供たちの叫ぶ声が。溢れ出す不幸のしずくが、止め処なく滴り落ちる音が。……実にいい響きだ」
「あんたのせいだったのね!」
「……む?」

駆けつけるラブ、美希、祈里。
黒板ナケワメーケを従えたサウラーと対峙する。

「好きなものを消して、みんなを悲しませるなんて」
「なんて卑怯なの!」
「……卑怯? 知的と言ってくれたまえ」
「くっ……!」
「申し遅れたが、僕の名はサウラー。ようこそ、プリキュアの皆さん」
「返してもらうわ。みんなの大切なものを! お母さんを!」
「フッ……できるかな? 君たちに」

リンクルンを構える三人。

「行くよ! 美希たん、ブッキー!」
「ええ!」
「うん!」


***


夕暮れの中を走るメイ。

「まさか、ラビリンスがこんな手を使ってくるなんて……。町なかで暴れまわるだけが、能じゃなかったってことか」
『メイ!』

リングルンを通してキサナの声が響く。

『プリキュアの反応をキャッチしました! ……おそらくそこに、ラビリンスも!』
「わかった! ナビよろしく!」
『……戦うのですね、ラビリンスと』
「…………」
『メイの気持ちはわかっています。止めても無駄だということも』
「……ごめん」
『謝る必要はありません。そのかわり、今日の夕食はチャーハン以外にしてくださいね』
「……オッケー!」


***


小学校の屋上で、黒板ナケワメーケと戦いを繰り広げる三人のプリキュア。

『ナケワメーケェェ!』

ナケワメーケの両腕についた巨大な黒板消しから放たれた煙幕が、屋上全体を包む。
怯むことなくナケワメーケに飛びかかり、連携攻撃を繰り出すプリキュア。

「「「はあああっ!」」」

だがその猛攻を難なく防ぎ、ナケワメーケは煙幕の中へ姿を隠す。

「しまった!」

視界を阻まれ、立ち尽くすプリキュア。
次の瞬間、背後からの攻撃になすすべもなく吹き飛ばされる。

「きゃあっ!」

煙幕に潜み、四方から攻撃を仕掛けるナケワメーケ。

「くっ……一体、どこから来るの!?」
「このままじゃ……」

徐々に追い込まれていく三人のプリキュア。

『ナッケワメーケェ!!』

ナケワメーケの顔面から無数のチョークが発射され、プリキュアを襲う。

「「「あああああっ!!」」」

煙の中から、爆音とともにプリキュアの悲鳴が響き渡る。

「フッフッフ……プリキュアは倒れ、この世界の人間たちの嘆き悲しみによって、我々は望みを叶えるのだ」

サウラーが勝利を確信した、その時。
……夕暮れの風に混じって、何者かの呟く声が流れてきた。

「……さて、そう上手くいくかな?」
「何っ……!?」
「大気炸裂!」

屋上を覆っていた煙幕が、一瞬にして吹き飛ばされる。

「ハァッ!」

彗星のように赤い尾を引き、黄昏の空から舞い降りる影。

『ナケッ!?』

落下の勢いを乗せた左右の拳がナケワメーケの顔面へと交互に叩き込まれ、トドメの回し蹴りがその巨体を屋上の端まで弾き飛ばす。

「あれは……?」
「プリキュア、なの!?」
「……あの時の!」

驚愕する三人のプリキュアの目の前、屋上の中央へと着地する黒いプリキュア。

「貴様、何者だ……?」

その左手が天へと掲げられ、頭上に輝く一番星を指し示す。

「冥府を望む玉座。……キュアグレイブ」
「四人目のプリキュアだと……!?」

サウラーの言葉を受け、首を横に振るグレイブ。

「私は、そこにいる三人とは違う。光と闇の狭間に立つ、黄昏のプリキュアさ」
「……ほう。だが、我々の邪魔をするなら同じことだ。ナケワメーケ!」
『ナッケワメーケェェェ!』

サウラーの命令を受けて立ち上がるナケワメーケ。
煙幕は通じないと見たか、グレイブに向けて巨大チョークを連射する。

「危ない!」
「……フッ」

微笑を浮かべ、正面からナケワメーケに突進するグレイブ。

「無茶だわ!」
「血迷ったか、キュアグレイブ!」

グレイブの左腕、リングルンが光を放つ。

「グレイブトンファー!」
「何だと!?」

トンファーを振り回し、撃ち込まれるチョークを次々と弾き返すグレイブ。

「くっ……ナケワメーケ!」
『ナケワメーケェェェ!!』

ナケワメーケが振り回す両腕を難なくかわし、グレイブは一気にその懐へ飛び込む。

「プリキュア・イングレイブ・スター!!」

グレイブが走らせたトンファーが紫色に輝き、ナケワメーケの全身に十字を刻む。

『ナ……ケ』

十字架を象った巨大な光の墓標と化し、瞬く間に消滅するナケワメーケ。

「ば、馬鹿な……」
「もう一度言う。私はプリキュア、キュアグレイブ。邪悪に終焉を告げる、黄昏の墓標」

サウラーを指差すグレイブ。
黄金色に煌く瞳がサウラーを、そして背後の総統メビウスを射抜く。

「憶えておきなさい。お前たちラビリンスの名も、既に刻まれていると」
「……ああ、憶えておくよキュアグレイブ。この礼は必ずさせてもらう」

煙幕の中へ姿を消すサウラー。
薄暗くなり始めた屋上に、取り残された四人のプリキュア。

「……今日は、邪魔して悪かったね」
「待って、キュアグレイブ!」
「あなたは、一体……?」

ピーチたちに背を向けるグレイブ。

「私は、あなたたちの仲間ってわけじゃない」
「……じゃあ、どうしてあたしたちを助けてくれたの?」
「私が戦ったのは、母親を奪われた子供たちのため。……そして」
「……?」
「一人の大切な友人のため」

夕闇に溶けるように、次第に消えていくグレイブの後姿。

「……頑張ってね、三人のプリキュア。町の平和は、あなたたちにかかってる」

グレイブを見送り、立ち尽くすピーチたち。

「グレイブ……」


***


その夜、メイの家。
台所の流しに夕食の食器。
ソファーに座って受話器を握っているメイ。

「もしもし……あ、私だよ。……違う、ナラカじゃなくてメイ。わざとでしょ? ……用事? いや、別にそういうわけじゃ……ううん、その……いいじゃん別に、たまにはそっちの心配したってさぁ! 違っ、寂しくなんかないっ!!」

顔を真っ赤にし、電話の向こうの相手にまくしたてるメイ。
その様子を後ろからこっそり眺め、微笑んでいるキサナ。

「……うん、学校は大丈夫。……え? できたよ。うん……本当だって! そんなに私に友達ができたことが信じられんのか!? あんた母親だろうがぁ!!」

……その晩は、電話を切ってしまうのが何だか怖くて。
柄にもなく、長話をしてしまったメイであった。





つづく




******


次回のフレッシュプリキュア! クロス†オーバーは、
第5話『仲間はいらない? メイの戦い!!』です。お楽しみに!




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テーマ : プリキュア
ジャンル : アニメ・コミック

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No title

前26話だって聞いたから全話キイマジンと戦うものだと思ってたら…意外と違うんですねw
そしてピーチたちとコレといって戦うと言うことはなく…というより、なんか自然でしたね
いつまでも応援して行こうと思うので、これからもよろしくお願いします

グレイブは、その設定に反して柔らかめなキャラにしてみました。
やろうと思えばいくらでもトンがれてしまう設定なので、逆に性格を丸くして可愛げが出たらいいなと(でないと、イースと被るし……)。
これから先も、期待は裏切る方向性になっているかもしれません(^^;
いい意味で裏切れたらいいなぁと思います。
プロフィール

ヤネ

Author:ヤネ
フレクロF、今度はイニシャルWW編です。

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